Housing Tribune別冊 住宅DXツールガイド2025 掲載

ウェブカメラで施工現場管理を効率化管理フェーズの顧客には設置から撤去までをワンストップで提供
https://store.sohjusha.co.jp/product/4883511730/
吉田東光が展開する「現場見守る君」は、SIM を搭載したネットワークカメラで、電源の確保と携帯電話の電波が届く範囲であれば簡単に使用でき、取付においても工事不要で、単管・ポールにも簡単に取り付けることが可能だ。
カメラで撮影した映像は、専用のアプリを使ってスマートフォンやタブレットなどで確認でき、遠隔地から建築現場の状況をリアルタイムに確認できる。現場監督の負担軽減に貢献している。
「現場見守る君」は遠隔からカメラを動かすこともでき、左右は180度、垂直方向には下方向に90 度まで動かせる。赤外線暗視機能により夜間撮影にも対応。
SDカードに7 日間程度の動画録画を行うだけでなく、クラウド上には30 日分の静止画を保存(7 日間分は2 分に1 枚の静止画を、8 ~ 30 日分はタイムラプスで保存)、2 系統で録画データの保存を行い、後からダウンロードできるといった機能もある。
防犯目的から管理フェーズに
同社市場開発室の担当者は「2014 年に現場見守る君のレンタルを開始し約10 年が経過している。以前は有事の際の防犯目的が主だったが、最近では建築業界のDX 化と人手不足に伴い、管理フェーズでの利用が増えている。
大手ハウスメーカーからの引き合いが増加しており、一元管理による生産性向上に期待が寄せられている。
カメラ監視に対する抵抗感が薄れており、ドライブレコーダーのように自分たちを守るものとして認識されるようになっている」と話す。
建設現場を支えるさまざまなサービスを提供する建材商社としての立ち位置から、顧客の手間を省くというノウハウを持つことも強みになっている。
一定台数規模で管理フェーズの顧客にはウェブカメラの設置から撤去までをワンストップで提供できること、また、他社では提供できない手厚いアフターフォローも、大手ハウスメーカーから高い評価を受けており、受注増につながっている。
さらに、大手企業向けには、静止画の保存期間の延長やカメラ設定など、カスタマイズにも対応している。
顧客の役に立つことを重視し、各メーカーの細かな要求に対して柔軟に対応できることも支持を集める理由の一つとなっている。
2024 年には、元より現場見守る君の展開で連携していたプーズネットをM & A によりグループ会社化した。
システム開発に資本投下しやすくなり、設置やメンテナンス、アフターサポートの体制をさらに強化し、普及拡大させていきたい考えだ。
INTERVIEW 株式会社プーズネット 代表取締役 長谷川 聡
黎明期から「現場見守る君」のシステム構築をサポート グループ会社となりサービスをさらに発展
プーズネットは、それまで勤務していた会社が倒産し、40 歳を過ぎて無職になった私が2001 年に立ち上げた会社です。
ボウリング場ディスプレイを利用した広告事業や、ホームページ制作事業などからスタートして、2007年からは印刷会社と提携し本格的にDTP 業務を開始、さらに2008年にネットワークカメラASP システムを開発し、レンタル業務を開始しました。
2011年には、環境省インターネット自然研究所向けのネットワークカメラ設置工事及び画像ライブラリサーバー、公開WEB ページリニューアル業務を入札により受注しました。観光立国プロジェクトの一環として、国立公園の映像を配信する仕事です。
こうしたさまざまな業務拡大の中で培ってきたノウハウ、例えば、カメラとクラウドサーバーが通信するために必要な、IP アドレス取得などのノウハウを生かして、2014年にネットワークカメラ+クラウドサービスシステム「現場見守る君」を吉田東光さんと共同開発し、レンタル事業を開始しました。
バックヤードを含めたシステム一式を提供できる業者がまだ少なく、ネットワークカメラをインターネットに繋ぐことが難しかった黎明期から、パートナー企業として連携し、設置や撤去などの現場対応を行い、顧客ニーズに合わせたシステム構築をサポートしてきました。
ウェブカメラの設置から撤去までをワンストップで提供できること、また、電源確認、カメラの画角確認、返却忘れのアナウンス、通信量報告などの手厚いアフターフォローという「現場見守る君」の強みを陰で支えてきました。
現場には、一人親方も多く、ウェブカメラにアレルギーを持つ方も多いのですが、ウェブカメラの導入が進むことで、職人さん自身がより安全に作業できるようになり、近隣からのクレームも減り、工事に集中できるようになる。
職人さんを守ることにもつながるということを説明して理解してもらいながら導入を進めています。
また、現地にあるカメラが盗難・破壊された場合に備え、クラウド上にデータをバックアップしておくことが重要になりますが、こうしたクラウドサービスシステムの開発も共同で行ってきました。
2024 年に、プーズネットは、吉田東光のグループ会社になりました。
資本力や信用力の強化により、大規模な投資が可能になり、新しい開発が一層進むと期待しています。両社のノウハウを合わせることで、サービスをさらに発展させていくことができると考えています。
https://www.poos.net/