失敗しない防犯カメラの選び方【ポイント3点を解説】
最近は防犯カメラを設置する家庭も増えてきています。
しかし、「防犯カメラを設置しようと考えているけど種類が多すぎて選び方がわからない」といったそんな悩みをお持ちではないですか?
防犯カメラには多数のメーカーや機種が存在し、また買取のほかにレンタルサービスもあります。
本記事では、防犯カメラ選定の際に確認すべきポイントについて解説していきます。
最新の防犯カメラ選びや業者選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。防犯カメラの種類やスペックの必要性について解説しています。
防犯カメラにはどのような種類があるか
一口に防犯カメラといってもその種類はいろいろあります。ここでは代表的な3種類の防犯カメラを紹介いたします。
ボックス型(パレット型)
防犯カメラと聞いてもっともイメージしやすいのがボックス型です。ボックス型防犯カメラは直方体の筺体の先にレンズや雨よけ用のフードがついており、いかにも防犯カメラといった出で立ちが特徴となっています。商店街や店舗の屋外などに設置されていることが多く、周囲の風景に溶け込むことなく存在感があります。このタイプのカメラがあると、一般の方からすると「見守られている」という安心感につながり、これから罪を犯そうとしている人からすると「監視されている」という恐怖感につながるのです。
そのため、防犯カメラの筺体を持ちながら撮影や録画の機能がない「ダミーカメラ」にも、このタイプがよく採用されます。しかし、一部のダミーカメラには配線がなかったり、パイロットランプが常に点灯していたりと、ダミーであることがすぐにわかってしまうようなものもあります。このような場合、犯罪抑止にはならず、むしろこれから罪を犯そうとしている人に安心感を与えてしまうのです。
ボックス型はレンズの水平左右方向と鉛直上下方向に必ず死角ができます。一部、首を振れるタイプもありますが、首を振っても撮影範囲が変わるだけで死角そのものは残ってしまうのです。
ボックス型は監視というより記録に向いています。ある一定の範囲の映像を記録して、犯罪や事故が発生した場合に、証拠として活用したり、当時の様子を確認したりする。このような活用方法が一般的です。
なお、筺体が円筒形のタイプを「パレット型」と読んでおり、これは主に屋内での使用を想定されています。
ドーム型
コンビニエンスストアなどの建物に入り、天井を見上げると火災報知器のような大きさ・形状のものが付いているのに気付くと思います。実はそれが防犯カメラ(ドーム型防犯カメラ)なのです。ボックス型はいかにも防犯カメラという出で立ちで存在感がありましたが、ドーム型は反対に周囲の風景に溶け込みます。そのため、景観を損なわず監視したい場合に最適なのです。ただし、同じコンビニエンスストアの店内でも、レジ周辺など特に防犯対策を高めたい場所では、あえてボックス型を使用することもあります(店舗全体としてはドーム型とボックス型の併用)。
防犯カメラとしての活用方法はボックス型と同様で、リアルタイムの監視というよりは事後に確認する記録として使用されることが多い傾向にあります。
ボックス型では死角がありましたが、ドーム型は画角が360度のため、事実上死角はありません。これから罪を犯そうとしている人がボックス型防犯カメラを見つけたときには、死角となるエリアを探すかもしれません。しかし、ドーム型の場合は死角がないため、物陰にでも入らない限り、必ず写ってしまうのです。ただし、ドーム型の場合はレンズの中心から離れるほど魚眼レンズのように像が歪みます。そのため、ドーム型防犯カメラの映像をもとに寸法を計測するなど、正確な情報を必要とする場合は活用できません。
PTZ型
PTZ型の特徴は、撮影範囲を任意に変えられること。P=パン(水平回転)、T=チルト(垂直回転)、Z=ズーム(拡大・縮小)の略称という意味でPTZ型という名称がついています。撮影範囲を変えるときは、コントローラーを使って任意に調整できます。しかも、1つのコントローラーで数十台以上のPTZ型防犯カメラを操作できるタイプもあるため、監視員を一人おくことで、効率的な監視が可能となります。そのため、大規模なショッピングモールなど広範囲の監視が必要な店舗で、専用の監視員を抱えられるほど経済的余裕がある(労務費負担ができる)企業に向けたカメラです。
ボックス型やドーム型の基本的な活用方法は記録ですが、PTZ型の場合は監視がメイン。撮影範囲を任意に変えられるため、監視途中に怪しい人物を発見した場合は、パンやチルト、そしてズームを駆使して、その人物の行動を追いかけられます。
しかし、PTZ型もボックス型と同様に必ず死角があります。しかも、操作してカメラの向きを変える度に死角となるエリアが変わるため、常に一定の範囲を撮影したいというニーズには向きません。その場合はボックス型やドーム型を併用するようにしましょう。
防犯カメラの選び方とは?
防犯カメラの選び方は大きくわけて3つあります。機能・スペック、コスト、サポートについて解説していきます。
機能・スペック
機能・スペックはもちろん多機能、高スペックに越したことはありませんが、必要以上の機能があってもオーバースペックで高コストになってしまいます。目的にあった機能とスペックを必ず確認しましょう。
確認ポイントは下記のとおりです。
- カメラスペック
- カメラの遠隔操作(レンズの向き、ズーム)
- 録画再生機能有無
- クラウドサーバーへの録画保存機能
- 通信容量
- スピーカー拡声機能
- 赤外線暗視機能
- 防水防塵対応等
防犯カメラ(業務用)では一般的に、次のようなスペックがあるとよいでしょう。ただし、目的によって詳細な必要スペックは変わってきますので、あくまでも参考と考えて下さい。
画素数
はじめに画素数について説明します。標準的な画素数としては200万画素〜400万画素程度が好ましいとされています。200万画素より低いと画像が荒くなり防犯カメラとしての機能を担保できなくなり、400万画素より高いと画像解析に利用されるなど、特殊な用途に限定されてしまいます。ちなみに200万画素がフルハイビジョン画質、400万画素が4Kの半分の画質です。また、防犯カメラの画素数はあくまでも記録時のスペックです。同等の画質で映像を再生する場合には、同等のスペックを持つディスプレイが必要になりますので、注意して下さい。
赤外線
屋外で使用する防犯カメラの場合、日中だけでなく夜間にも映像を記録します。そのため、周囲に該当などの光源がない場所でも、映像を記録する必要があるのです。そのときにおすすめなのが赤外線機能です。この機能が付いている防犯カメラなら可視光ではなく赤外線(不可視光)をとらえて撮影するため、暗所での撮影が可能なのです。また超高感度カメラと呼ばれる防犯カメラもあります。これは少しの光があれば撮影できるタイプで、可視光線をとらえて撮影します。ただし、可視光線をとらえるという撮影原理上、完全な暗所(0ルクス)では撮影できません。そのような場合は赤外線機能付き防犯カメラを使用するようにしましょう。
防塵防水規格
防犯カメラを設置場所によっては塵や埃が舞っていたり、雨や雪にさらされたりすることがあるでしょう。このようなとき、防塵防水の耐力を示す規格にIPがあります。IPとはIngress Protection(侵入に対する保護)の略で、IPに2桁の数字を付加して表示されます。1桁目の数字が外来固形物(塵や埃)に対する保護等級、2桁目の数字が水の侵入に対する保護等級を示すのです。保護等級の内容と度合いは次のようになっています。
表1.外来固形物に対する保護等級
第一特性数字 | 内容 |
0 | 保護されていない |
1 | 直径50mmの固形物が内部に入らない |
2 | 直径12.5mmの固形物が内部に入らない |
3 | 直径2.5mmの固形物が内部に入らない |
4 | 直径1.0mmの固形物が内部に入らない |
5 | 防塵
(若干の粉塵の侵入があっても動作および安全性を阻害しない) |
6 | 耐塵
(粉塵が内部に入らない) |
表2.水の侵入に対する保護等級
第二特性数字 | 種類 | 内容 |
0 | − | 保護されていない |
1 | 防滴Ⅰ | 垂直に滴下する水に対して保護されている |
2 | 防滴Ⅱ | 15度以内で傾斜しても、防滴Ⅰの条件を満たしている |
3 | 防雨 | 60度以内の散水に対して保護されている |
4 | 防まつ | あらゆる方向からの水の飛沫に対して保護されている |
5 | 防噴流 | あらゆる方向からの噴流に対して保護されている |
6 | 耐水 | あらゆる方向からの暴噴流に対して保護されている |
7 | 防浸 | 規定の圧力、時間で水中に沈めても影響がないように保護されている |
8 | 水中 | 製造者によって規定される条件のもとで、潜水状態での使用に対して保護されている |
コスト
防犯カメラを利用するには、様々な費用が必要となります。
まずはイニシャルコストとして、カメラの機器代金やwi-fi環境を用意するための機器代金、工事費用等があります。
次にランニングコストですが、wi-fiや通信キャリアのSIM等の通信回線費用が毎月必要になります。
その他の費用として、カメラが故障したときにかかる費用や、盗難にあってしまった時の買い替え費用も考慮しなければなりません。
防犯カメラのレンタルサービスもあります。
レンタルサービスのメリットは、必要な期間だけ利用することができるため、コストに無駄がないことです。
レンタルサービスの中には、ほとんどの場合の費用が含まれています。
- 初期費用(カメラの機器代金、wi-fi機器代金、工事費用等)
- ランニング費用(wi-fiや通信キャリアSIMの通信回線費用等)
- 保守費用(カメラのメンテナンス費用等)
- 盗難保険費用(カメラが盗難にあったときにかかる費用)
まずはレンタルか買取かを決めましょう。レンタルの場合は通信料、サーバ代を含んだ価格設定になっているものもあるのでSIM契約等の必要がない場合もあり、導入がスムーズです(ネットワークカメラの場合)。
レンタルの場合は、初期費用の有無や破損や盗難にあった場合の保険料についてもあわせて確認しましょう。また、HDDやNVR(ネットワークビデオレコーダー)など記録媒体が内蔵されている場合は、通信料は不要です。このように防犯カメラのコストは、タイプによってメリット・デメリットがあるのです。
サポート
不具合が発生した際の遠隔サポートや設置(取り付け)・回収、工事対応や配線(ケーブル)接続の可否等、有事の際のサポート体制があると導入後も安心してスムーズな運用が可能となります。機能、コストだけでなくサポートについても事前に確認しましょう。
現場監視カメラを導入するメリットについてはこちらで詳しく解説しています。
目的・用途に合わせた選び方が重要!
本記事をお読みいただくことで、防犯カメラを選ぶの際に確認すべきポイントについてご理解いただけたと思います。
利用目的や用途に合わせて、最適な方法で適切な機能を持ったカメラを導入することが重要です。
吉田東光では、防犯設備士による設置場所や機種選定のアドバイスも可能ですので、是非ご相談ください。
防犯カメラの導入を考えている方はこちらからどうぞ