2025.09.20 ブログ

防犯カメラ用ハードディスクの選び方|録画容量・耐久性・保存期間を徹底解説

防犯カメラの録画映像を確実に保存するためには、適切なハードディスクの選定が欠かせません。容量が足りない、すぐに壊れてしまう、保存期間が短い。そんなトラブルを避けるためにも、「防犯カメラに適したHDDの選び方」や「必要な容量の計算方法」「耐久性の違い」などを理解しておく必要があります。本記事では、監視カメラに最適なハードディスクの基礎知識から、製品選びのポイントまで分かりやすく解説します。

ハードディスクの種類と特徴

防犯カメラに使うハードディスクは、通常のパソコン用とは異なる特性を持っています。ここでは種類ごとの違いや、監視に適したHDDの選び方を紹介します。

PC用と監視用HDDの違い

防犯カメラに使われるHDDは、24時間365日の連続書き込みに耐えられるように設計されています。一般的なPC用HDDと異なり、熱や振動に強く、複数台のカメラ映像を同時に記録できる高い安定性が特徴です。PC用のHDDを代用すると、寿命が短くなるリスクがあるため、専用の監視用HDDを選ぶことが重要です。

監視カメラ用HDDとSSDの違い

「HDDとSSD、どっちが防犯カメラに適しているの?」と迷う方も多いですが、基本的にはHDDが推奨されます。SSDは読み書き速度に優れる一方で、書き込み回数に上限があり、連続録画に向いていません。一方、監視用HDDは長時間の連続書き込みに耐え、複数台のカメラ映像を同時に保存できる安定性があります。さらに大容量を比較的低コストで導入できる点も大きなメリットです。

録画用HDDの種類|NVR・DVRで使えるタイプとは?

録画機器がDVR(アナログ)かNVR(ネットワーク)かによって、対応するハードディスクの仕様が変わります。そのため、録画装置の仕様書に準拠したHDDを選ぶことで、トラブルを未然に防げます。

耐久性と寿命

防犯カメラ用HDDの寿命は一般的に2〜3年が目安ですが、選ぶモデルによっては5年以上安定して稼働するものもあります。高温多湿・ホコリの多い環境に対応できるか、24時間稼働の高負荷に耐えられる設計かどうかを確認し、長期的な運用に耐えるモデルを選ぶことが重要です。

防犯カメラに必要なハードディスク容量は?

どれくらいの容量があれば、録画データをどのくらい保存できるのか──これは多くの導入検討者が抱く疑問です。ここでは、録画方式や画質設定による違い、保存日数とカメラ台数による容量計算、圧縮技術の影響まで、実用的な視点で容量の選び方を解説します。

録画方式で変わる容量|常時録画と動体検知の違いとは?

防犯カメラの録画方式には、24時間記録を続ける「常時録画」と、人や動きがあったときだけ録画する「動体検知録画」があります。録画方式の違いによって必要なハードディスク容量は大きく変わるため、導入前に自社の監視スタイルを明確にしておくことが重要です。

解像度とフレームレートが容量に与える影響

録画する映像の画質が高ければ高いほど、ハードディスクの消費容量は大きくなります。特にフルHD(1080p)や4Kといった高解像度映像や、滑らかな映像を実現する高フレームレート録画は、大容量HDDの選定が必要になります。

例えば、1080p(フルHD)で30fps、24時間常時録画を行うと、1台のカメラで約90GB/日の容量が必要になります。4K画質ならさらにその約4倍にあたる360GB/日が目安です。

保存日数と台数に応じたHDD容量の計算方法

「何日分の映像を保存したいか」「何台のカメラを運用するか」によって、必要なHDD容量は異なります。たとえば、フルHDカメラ4台で30日分を保存する場合、90GB×30日×4台=約10.8TBのHDDが必要になります。録画時間の目安や日数をベースに、事前に容量を逆算することで、容量不足や無駄なコストを回避できます。

録画圧縮方式(H.264/H.265)による容量の違い

録画映像は「圧縮方式」によってもファイルサイズが変わります。H.265(HEVC)は、従来のH.264よりも約40〜50%容量を節約できるため、同じHDDでもより多くの映像を保存可能です。対応しているかどうかは、使用している録画機器やカメラの仕様書を確認することで分かります。圧縮方式の確認も忘れずに行いましょう。

データ保護とセキュリティ

録画映像は「防犯」の役割を果たす貴重な証拠でもあるため、その保管・保護体制は極めて重要です。ここでは、上書き設定やアクセス制限、自然災害や盗難への備えといった「万が一」に備えるためのセキュリティ対策を具体的にご紹介します。

録画データの保存期間と自動上書きの注意点

防犯カメラのハードディスクは、保存容量が限られているため、一定期間を過ぎると古いデータから順に自動的に上書きされます。一般的には30日程度の保存期間を目安に設定されることが多いですが、業種や現場によっては90日以上の保持が求められるケースもあります。重要な映像を誤って消さないよう、保存期間と録画設定を適切に管理することがセキュリティ上の鍵となります。

データ漏洩を防ぐためのアクセス制御設定

防犯カメラの映像データには個人情報が含まれることもあり、外部からの不正アクセスを防ぐことが求められます。ユーザーIDやパスワードの管理、アクセスログの記録など、ハードディスクを含む機器全体でのセキュリティ対策が不可欠です。

停電・衝撃・自然災害時のバックアップ対策

ハードディスクに保存された監視映像は、停電や落雷、機器の破損などによって消失するリスクがあります。UPS(無停電電源装置)の導入や、クラウド録画との併用など、二重化によるバックアップが安心運用に繋がります。

暗号化機能付き録画装置の導入メリット

近年は映像データを暗号化して保存できる防犯カメラ機器が登場しており、不正コピーや情報流出のリスクを大幅に低減できます。特に企業や工事現場などの機密性が高い現場では、暗号化対応のNVRやHDDを活用することが推奨されます。

HDDの物理的セキュリティも忘れずに

サイバー対策だけでなく、ハードディスク本体の物理的な盗難・破壊対策も重要です。録画機器の施錠管理や設置場所の工夫によって、第三者からの不正な持ち出しや破壊を防げます。

ハードディスクのメンテナンス

高性能なHDDでもメンテナンス不足は寿命を縮めます。交換時期や点検、バックアップの実施が防犯カメラを安定稼働させる鍵です。

ハードディスクの寿命はどれくらい?防犯カメラ用HDDの交換目安

防犯カメラに使用するHDDは24時間録画を続けるため、一般的なPC用HDDよりも劣化が早く進みます。監視用HDDの寿命はおよそ2〜3年が目安とされており、録画台数や環境温度によって前後します。急な故障による録画データの消失を防ぐためにも、定期的な点検と予防的な交換が推奨されます。

異音・遅延・録画ミスに注意!HDD故障のサインとは?

防犯カメラの録画データが正常に保存されなくなる前には、いくつかの「予兆」が現れます。具体的には、HDDから異音がする、アクセスに時間がかかる、録画映像が途切れる、などの現象が見られたら要注意です。こうしたトラブルを放置すると、録画映像が失われてしまうリスクがあるため、早めの点検・交換が必要です。

防犯カメラHDDの定期点検はいつ・何をすべき?

HDDを長く安定して使うためには、定期点検が欠かせません。3ヶ月〜6ヶ月に一度は、録画データの保存状態や容量の使用率、エラー履歴などを確認しましょう。また、電源の接続や録画装置(DVR/NVR)の動作確認も同時に行うとトラブルを未然に防げます。

録画データのバックアップとクラウド併用のすすめ

HDDは物理的な故障が避けられないため、大切な録画データを守るにはバックアップが有効です。定期的に外付けHDDやNASにデータを複製するほか、可能であればクラウドサービスを併用することで、災害時や盗難などの非常時にも映像を失わずに済みます

まとめ

ハードディスクは、監視システムの心臓部とも言える部分であり、適切なものを選ぶことが、映像データの安全性とアクセスの利便性を確保する上で重要です。

高解像度の映像を長期間保存するためには、信頼性が高く、容量の大きいハードディスクが必要となります。

また、定期的なメンテナンスと早期の故障検知は、長期的な運用における障害を最小限に抑えるために不可欠です。

クラウドストレージとの併用や、監視システム専用に設計されたハードディスクの選択など、最新技術を活用することで、セキュリティシステムの効率性と安全性を高められます。

これらの知見を活かすことで、どのような環境下でも安心して使用できる防犯カメラシステムを構築が可能です。

もし、防犯カメラシステムの構築や既存システムの改善を検討しているなら、お気軽にお問い合わせください。

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