2023.11.17 ブログ

防犯カメラの法定耐用年数と寿命は違う?法定耐用年数や減価償却費について解説

24時間365日、安全を守ってくれる防犯カメラは頼もしい存在ですが、急に壊れてしまうと、復旧あるいは交換するまでの間のリスクが高くなります。

新しい防犯カメラを付けるとコストがかかってしまうため、なるべく長く使いたいでしょう。

実際のところ、防犯カメラやレンズの寿命はどのくらいなのでしょうか。

そこで、本記事では防犯カメラの耐用年数について解説します。

防犯カメラがどれくらい使えるのか知りたい方、カメラを長持ちさせたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

基本的な言葉の意味の説明

「耐用年数」という言葉をどのように認識していますか?はじめにこれらの言葉について説明いたします。

耐用年数

耐用年数とはある商品が使える年数のことをいいます。耐用年数にはメーカーが定める耐用年数(◯◯万時間など)と、税法上で定められている耐用年数があります。どちらも「耐用年数」という言葉で表現されるため、資料を読むときは前後の文脈からその意味を判断するしかありません。ここではメーカーが定める耐用年数について説明します。

工業製品には定められた機能と、定められたスペックがあります。たとえば、防犯カメラの場合、撮影や録画が機能、◯万画素や防塵・防滴性能がスペックとなっています。また、定められた機能やスペックを発揮できる条件が決まっています(温度、湿度、周囲の環境など)。メーカーが所望の機能やスペックを実現できるように設計して、試作品を一定の条件下でテストすることにより耐用年数を決めています。そのため、実際に使える年数よりやや短い年数を、耐用年数として設定します(余裕のない耐用年数を設定すると、耐用年数以下での故障が頻発してクレームになるため)。

ただし、メーカーが謳う耐用年数は、あくまでも一定の条件下で使用した場合の数字です。実際には使用環境によって、メーカーが謳う耐用年数より短くなる場合もありますので、注意してください。

法定年数(法定耐用年数)

法定年数(法定耐用年数)とは、税法で決められている耐用年数です。実際の耐用年数(メーカーが謳う耐用年数)は製品により異なりますが、税法では同じカテゴリーの製品は一つの耐用年数で統一されています。ただし、法定耐用年数は後述の減価償却の計算で使用する便宜上の数字であり、メーカーが謳う耐用年数とは関係ありません(実態に即しておおむね正しい数字にはなっていますが)。

取得価格

取得価格とは、その製品の購入価格のことをいいます。例えば税抜き10万円の防犯カメラを購入したとします。すると、取得価格は10万円です。ここで注意するのは消費税の扱いです。消費税は取得価格に含まれません。そのため、取得価格は必ず税抜き価格となります。

ケースとして少ないですが、防犯カメラを自作した場合は取得価格の計算方法に気を付ける必要があります。材料費や部品代が含まれるのは当然ですが、設計費や組立費も取得価格に含まれます。つまり、設計や組み立てに携わった人間の労務費も含まれるのです。

減価償却

減価償却とは固定資産を購入した際における、帳簿上の処理のことをいいます。固定資産とは一般的に取得価格が10万円を超えるものをいいます。たとえば24万円の防犯カメラを購入したとしましょう。実際のお金の流れとしては購入時点で、社内の資産が24万減ります(実際の支払いタイミングは月末や翌月末ですが、簡単のため割愛)。しかし、帳簿上で同じことをやってしまうと、経営実態が見えなくなってしまうのです。

たとえば、ある会計年度の利益が10万円、そして次年度の利益が20万円だったとします。また、条件として前者の会計年度で24万円の防犯カメラを購入していたとします。双方を比べるとはじめの年度の方が利益が少ないことになるのです。しかし、はじめに購入した防犯カメラの代金24万円を一括計上していたと仮定します。この場合、もし、防犯カメラを購入していなければ、はじめの年度の利益は34万円だったといえます。

このように大きな取得価格(固定資産)を一括で計上してしまうと、どの程度利益が残っているかという経営実態が見えにくくなるのです。そこで減価償却という会計処理を行います。

減価償却とは取得価格を耐用年数で割って、毎年計上するもの。防犯カメラの法定耐用年数は6年と定められているため、帳簿上は「取得価格24万円 ÷ 耐用年数6年 = 4万円/年」と計算して(償却費)6年間計上することになります。このようにして、固定資産を購入した場合の経営実態の見えにくさを解消しています。

ただし、この計算方法は一般的な会計におけるものです。個人事業主で青色申告を行う場合は、取得価格30万円未満の場合は経費として一括計上できるという特例があります。個人事業主の場合は、法人に比べて売上規模が小さいもの。実際のお金の流れと帳簿上のお金の流れが一致していれば所得税をおさえられるため、大きなメリットがあります。ただし、青色申告は白色申告異なり、勘定科目の仕訳が必要となります。自身で帳簿付けや確定申告に対応できない方は、税理士に依頼するようにしましょう。

減価償却はあくまでも帳簿上の話ですので、実際には24万円を一括で支払うことがポイント。そうなると帳簿とは別にお金(キャッシュフロー)の管理が必要になりますが、両者の乖離を解消するサービスとしてリースがあります。リースとは、顧客が購入したい製品を購入し、顧客に貸し出す代わりにリース料として毎月使用料を徴収するサービスです。これを利用すると、帳簿上と実際のお金の流れを同様にできます。ただし、リース料には製品の取得価格にくわえて、リース会社に支払う手数料が上乗せされているため、総額はリースの方が高額になります。

固定資産税

固定資産税とは固定資産にかかる税金のこと。取得価格や原価率をもとに評価額が計算され、評価額に税率をかけたものが固定資産税となります。原価率とは資産の劣化を数字で表したもので、耐用年数によって決められています。また、評価額は、固定資産を取得した年度によってかわります。

前年中に取得した場合の評価額は次式で計算されます。

取得価格×{1ー(減価率÷2)}

前年以前に取得した場合の評価額は次式で計算されます。

前年度評価額×(1ー減価率)

つまり、固定資産を導入してから年月が経つほど評価額が安くなり、固定資産税も安くなるのです。

防犯カメラの耐用年数とは?

税法には、カメラを減価償却するときの耐用年数が決まっており、取得金額が10万円以上のものに関しては、この期間で取得費用を経費として分割して計上します(減価償却)

防犯カメラは税法上、通信機器に分類され、法定耐用年数は6年と定められています。

防犯システムと関係のない一般的なカメラの場合は5年、火災報知設備と関連しているカメラの場合は8年す。

しかし、これはあくまでも固定資産税を計算するときの決まりで、必ずしも実際の機械の耐用年数を反映したものではありません。

実際の寿命はどれくらいか

防犯カメラの本当の耐用年数はどれくらいかというと、業界では5~10年程度が一般的な寿命と認識されています。

メーカーによる保守期間も多くが5年程度になっているのもこうした理由からです。

税法の耐用年数は、一般的にその機器が使えると考えられる年数に基づいて決定されているので大きくは乖離しないのですが、これもあくまで目安です。

10年と聞けば長く感じられるかもしれませんが、実際には使い方や設置場所、メンテナンスや点検の頻度などによって不具合の発生タイミングや頻度は異なります。税法上の耐用年数に比べて実際の耐用年数の方が短くなる場合もあれば、反対に長くなる場合もあるのです。

また、消耗部品などはこれより短い期間で交換しなければならないものもあります。

ただし、屋内で使用する場合と屋外で使用する場合とでは、寿命が変わります(それぞれの仕様にあった製品を使っていることを前提とする)。屋内の場合、人間が活動する空間で使用することも多いため10年程度は壊れずに使用できるといわれています。しかし、屋外の場合は、使用環境にもよりますが6年程度しか寿命がもたないといわれているのです。ただし、いずれもメーカーが定めた使用環境の中で、定められたメンテナンスを定められた頻度で行う場合に限ります。6年や10年という数字だけを鵜呑みにして信用しないようにしましょう(その数字の意味をしっかり理解しましょう)。

メンテナンスとして消耗品の交換頻度が定められている場合があります。たとえば映像を記録するHDDは製品にもよりますが約3年での交換を推奨されています。しかし、3年経っても不具合がなければ交換しませんよね?推奨されているメンテナンス頻度を無視して、「使用できるから」と消耗品の交換を怠っていると、いつか突然故障することがあります。しかし、これは消耗品のメンテナンスを怠っているため、当然のことなのです(もちろん推奨頻度で交換しても故障することはありますが)。

防犯カメラの寿命を少しでも延ばしたいなら、取扱説明書に記載されているメンテナンスを愚直に行うようにしましょう。

寿命を気にしないレンタルがおすすめ

『防犯見守る君』は建設や物流の現場で利用されているレンタル防犯カメラです。

月額9,800円から使用でき、取り付けも簡単ですぐに使うことができます。

工期にあわせて自由にレンタル期間を設定でき、レンタルなのでカメラの耐用年数の問題もありません。

カメラの耐用年数が気になる方は、寿命を気にせず使えるレンタルカメラを検討してみてはいかがでしょう。

防犯カメラの保存期間とは?

念のため、防犯カメラの保存期間について知っておくと役に立つと考えられます。

防犯カメラの保存期間について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

目安や容量との関係も解説 防犯カメラの保存期間は何日間?

防犯カメラの耐用年数は約5年

この記事を読んでいただくことで防犯カメラの寿命についてご理解いただけたと思います。

防犯カメラの耐用年数は税法上では6年、実際には5~10年程度ですので、普段からメンテナンスをしっかり行い、長持ちさせられるようにしましょう。その方が結果的にコストダウンにつながります。

現場監視カメラの導入を考えている方はこちらからどうぞ

現場監視カメラのお問い合わせやご注文が可能です

一覧ページへ戻る

導入をご検討の方へ

×