防犯カメラ設置の注意点は?プライバシーで配慮するポイントを解説
防犯カメラはさまざまな機能がついていたり、セキュリティレベルが向上したり、便利で安心なもの。そのため、店舗や病院だけでなく個人宅でも使用されています。しかし、防犯カメラを使おうと思っても、周囲の人や住宅などが映り込んでしまうリスクのデメリットなど、プライバシーとの関係で頭を悩ませていませんか。
防犯カメラは犯罪を未然に防ぎ、安全を守ってくれる大切なものですが、設置場所を考えないと思わぬトラブルの原因になります。
そこで、本記事では防犯カメラとプライバシーの関係について説明します。
防犯カメラを設置したいけれど、上述したようなリスクを回避するためにはどうすれば良いか分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
防犯カメラはプライバシーを侵害する場合も
カメラの向きに注意
防犯カメラを使用する際は、設置する位置やカメラの向きに注意しないと、必要以上の情報を映してしまい、他人のプライバシーを侵害する恐れがあります。
建設現場や工場の入り口付近にあるカメラでは、敷地外の通行人や周囲の住宅等が映り込んでいないかを確認するようにしましょう。どうしても映り込んでしまう場合は、画角の一部を隠すプライバシーマスク機能のある防犯カメラを検討しましょう。
カメラの画質にも注意
昔なら防犯カメラは画質が限られていたので遠くの映像は不鮮明であるため問題になりにくかったのですが、最近の防犯カメラは画質が格段に向上しており、隣家からのクレームをもらう可能性があります。
歩いている人の顔やガラス戸の中などはっきりと映ってしまうケースもあるため、防犯カメラで不要な映像を記録(録画)しないように注意しましょう。
防犯カメラ設置・運用のためのガイドライン
こうしたトラブルを防ぐため、市町村など各自治体で防犯カメラの設置・運用に関するガイドラインが策定されています。
設置にあたっての注意点やプライバシーに配慮したデータの保管・運用方法、データの保存期間などが定められているので、防犯カメラを設置する際には一度目を通しておくと良いでしょう。
以下にガイドラインの例を示します。
- 宮城県「防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」
- 長野県塩尻市「塩尻市防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン 」
- さいたま市「さいたま市防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」
- 静岡県「プライバシー保護に配慮した防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」
- 京都府「防犯カメラの管理・運用に関するガイドライン」
設置の際に気をつけること
カメラの画角にも注意
防犯カメラを導入するとき、プライバシーの侵害でクレームやトラブルにならないために注意すべきポイントは、カメラの画角(撮影範囲)を適切に調整することです。
カメラが向いているだけで撮られていると感じる人もいるので、なるべくカメラ自体を近隣の住宅等に向けないよう工夫し、他人の敷地が映り込むような位置・角度を避けましょう。
画角は防犯カメラの種類によって異なります。ボックス型(パレット型)やPTZ型は画角の範囲が限られています。そのため、カメラの位置や方向を調整することで、写したくない範囲をうまく死角にすることもできるでしょう。しかし、ドーム型の防犯カメラを使用する場合はそうはいきません。ドーム型は画角が360°であるため、民家が隣接しているような住宅街の場合は、他人の敷地や建物も映り込んでしまうでしょう。
「ただ防犯目的のために防犯カメラを設置する」ではなく、玄関や門、勝手口など監視したい場所を明確に決めて防犯カメラを設置するのが望ましいでしょう。きちんと目的を設定すれば、家庭にドーム型の防犯カメラを使用する必要は、あまりないかもしれません。
映像や情報の流出にも注意
映像がインターネットなどから外部に流出しないよう、データの管理も適切に行う必要があります。当然ですが防犯カメラにより取得した情報(たとえば、近隣住民の生活パターンなど)を必要なく第三者に話したり、インターネット上に公開するのは好ましくありません。トラブルのもとになるため、このような行為を絶対にしないようにしましょう。もし、防犯カメラにより個人情報を知り得た場合にも同様です。他人のプライバシーや権利を侵害しないようにしましょう。
プライバシーに配慮した防犯カメラの導入を
『防犯見守る君』は、建設や物流の現場で利用されているレンタル防犯カメラです。
難しい工事は必要なく、クランプやバンドなどで簡単に取り付けられるので場所を選ばず、プライバシーに配慮しやすくなっています。
広範囲・高画質撮影可能で使用料は月額9,800円から。
防犯カメラ導入の際にはぜひ『防犯見守り君』を検討してみてはいかがでしょうか。
防犯カメラの保存期間
念のため、防犯カメラの保存期間について知っておくと役に立つと考えられます。
防犯カメラの保存期間について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
リンク先:目安や容量との関係も解説 防犯カメラの保存期間は何日間?
防犯カメラとプライバシーに関する判例
判決の内容
被告が4台の防犯カメラを設置・運用しプライバシーが侵害されたとして、カメラの撤去と損害賠償の請求を求めた裁判例(平成27年11月5日判決)があります。4台中1台の防犯カメラに原告宅の玄関や通用口が映っており、被告の防犯という目的は認められるものの原告らに対する監視という目的は認められませんでした。しかし、撮影は常時行われており、被告らの外出時間や帰宅時間が常に把握されているという状態になっていたため、社会生活上受任すべき限度を超えてプライバシーが侵害されているとして、原告1人あたり10万円(合計40万円)の支払いが命じられました。
この判決から言えること
防犯カメラを防犯以外の目的のために設置する人はおそらくいないでしょう。実際、前述の被告もそうでした。しかし、たとえ防犯目的であってもカメラによる撮影が行われることで、快く思わない人が現れるリスクがあるのです。
この場合「そんなつもりはなかった」は通用しません。前述の判決でも、被告の「そんなつもりはない」ことは一定程度認められていますが、同時に原告が感じた苦痛も一定程度認められており、最終的には被告に対して金銭の支払いが命じられています。誤解をおそず非常に端的にいうと、防犯カメラを設置したが故に金銭の支払いを命じられたのです。
近所の人と揉めないために
上記のようになった原因は防犯カメラでしょうか?推測の域は出ませんが、近所の人との関係が本当に良好であれば、このような事態にならなかったのではないか?と予想されます。防犯カメラを設置する前にきちんと近所の人に事情を説明し、事前に了承を得ておく。この手続きを踏んでから設置すればここまで大事にならなかったのではないでしょうか?必要があれば、防犯カメラの映像を実際に見てもらっても良かったかもしれません。
防犯カメラはあくまでもきっかけの一つに過ぎず、ご近所トラブルの原因は無数にあります。ご近所に迷惑をかけないことも大前提ですが、普段からきちんとコミュニケーションを取り、何か新しいことをはじめたいとき(今回の場合は防犯カメラの設置)には、理解してもらう努力が必要なのでしょう。また、もし迷惑をかけてしまっても、当事者同士の話し合いで解決できる程度によい関係を築けるのがベターです。
防犯カメラを利用したトラブル解決事例
ネガティブな話題ばかりでは防犯カメラ設置のハードルが上がるかもしれませんので、ここで防犯カメラが実際にその目的を達成した事例を紹介いたします。
自宅庭の植物が荒らされた事例
庭付き新築一軒家に妻と子の3人で暮らすAさん。しかし、引っ越して間もない頃からある問題に悩まされていたそうです。Aさんは庭いじりが好きで、数種類の植物を育てていたそう。しかし、朝気付くとその植物が荒らされていることがあったのです。
夜間就寝後に犯行が行われているのは分かったものの、子どもが小さいこともあり一晩中起きて犯人を待つことも難しかったといいます。そこで防犯カメラを設置することにしました。そして、設置して数日後には見事犯人の姿を捉えたのです。
犯人は近所に住む独身男性でした。Aさんは防犯カメラの映像を証拠として警察に相談したところ、犯人は逮捕されました。あとで分かったことですが、犯人は会社で嫌なことが続いており、幸せそうなAさん家族の姿にイライラして犯行に及んだとのことでした。
この事例では、防犯カメラが映していたのは自宅敷地内のみ。そのため、防犯カメラが原因のトラブルは起きなかったのです。
駐車場に停めて車に傷を付けられていた事例
都内で会社員をするBさん。自宅マンションに駐車場がないため、近隣の月極駐車場を借りているとのことです。また、通勤は電車のため、車に乗るのは休日か平日の夜でした。
ある日の夜、車に乗ろうと駐車場に行くとバンパーやドアにサッカーボールの跡のような汚れが付いていました。「子どもが駐車場でボール遊びでもしていたのだろう」と仕方なくそのときは自分で汚れを落としたそうです。
しかし、また別の日に駐車場に行くと、今度や野球ボールが当たったような跡と明らかな凹みを確認しました。汚れならともかく凹みともなると我慢できなくなったBさんは、犯人を特定しようとしました。しかし、子どもが遊ぶような時間に働いているBさんは自分で特定するのが難しい状況。探偵に頼む方法もありましたが、いつ来るか分からない犯人(子ども)に対する調査だと費用の心配がありました。
そこで、防犯カメラを設置することにしました。ただし、駐車場は所有地ではないため、管理会社の担当者に事情を話して了承してもらい、念のため両隣のスペースの人からも了承をもらいました。
防犯カメラを設置してしばらくした頃、駐車場で野球ボールを打つ少年が防犯カメラに映っていたのです。Bさんは防犯カメラの映像を証拠警察に相談したところ、犯人は近所に住む小学生だということが分かりました。最終的には小学生の保護者の身元がわかり、無事修理代を払ってもらえたようです。
このケースでは所有していない場所を撮影する必要がありました。駐車場の管理会社や両隣のスペースの使用者にきちんと事情を話して、事前に了承してもらうなどの対策をしていたことがトラブル回避の要因となりました。
プライバシーにも配慮しましょう
この記事を読んでいただくことで防犯カメラのプライバシーについてご理解いただけたと思います。防犯カメラが思わぬトラブルの原因になることのないよう、設置の際には、今回紹介した点に十分注意してください。
防犯カメラを設置したくても、法律面の知識がなかったり近所の人との関係が希薄でなかなか話ができなかったりするケースもあるでしょう。そのようなときは弁護士など専門家に相談するのが無難です。初回相談無料の事務所を利用したり、市民無料法律相談会を利用したりと、費用をかけずに弁護士に相談する方法はあります。きちんと準備してから防犯カメラを設置すれば、近所の人とトラブルになる確率を下げられるでしょう。
現場監視カメラの導入を考えている方はこちらからどうぞ
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